訪問介護の記録は、訪問介護計画にもとづいて提供した身体介護・生活援助を、サービス提供記録として残すのが基本です。ヘルパーが利用者宅で記録し、サービス提供責任者が管理します。移動の合間や事業所に戻ってからの記録に追われがち、という声も多い業態です。
本記事では、訪問介護で何を記録するのか/身体介護・生活援助の例文/効率化のコツを整理します。記録の基本そのものは「介護記録の書き方|場面別の例文と書く時間を減らすコツ」もあわせてご覧ください。
例文はすべて説明用の一般例です。実際の記録は、各事業所のルール・様式(サービス提供記録の様式など)に合わせ、事実に基づいて記載してください。
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訪問介護の記録の特徴
訪問介護の記録は、1回の訪問ごとに「計画にもとづくサービスを、いつ・何分・どう提供したか」を残します。
- 訪問日時・提供時間:いつ訪問し、何時から何時までか
- 提供したサービス:身体介護/生活援助の具体的な内容(計画にもとづく)
- 利用者の状態・変化:体調、できること・できないことの変化、気づき
- 特記事項・連絡事項:いつもと違う様子、ご家族・他職種への連絡
- 次回への申し送り:次のヘルパーへ引き継ぐこと
ポイントは、訪問介護計画とつながっていることです。計画にある内容を提供したことが記録から分かるようにします。記録は、ヘルパー間の引き継ぎや、サービス提供責任者・ケアマネとの共有の土台にもなります。
場面別の書き方と例文(訪問介護)
「△ 悪い例」→「◯ 良い例」で並べます。
身体介護(排泄)
- △「排泄介助した」
- ◯「10:10 トイレ誘導にて排尿介助。失禁なし。立ち上がりは手すり使用で見守り、移乗は一部介助。」
身体介護(入浴・清拭)
- ◯「清拭を実施。背部に発赤なし。ご本人より『さっぱりした』と発言。体調変化なし。」
身体介護(移動・服薬)
- ◯「10:40 昼食後薬の服薬を見守り。ご本人が自身で内服、飲み込みを確認。残薬なし。」
生活援助(調理・掃除・買い物)
- △「家事援助」
- ◯「11:00 昼食の調理(おかゆ・煮物)と片付けを実施。冷蔵庫内の消費期限を確認し古いものを廃棄。居室の掃除機がけを実施。」
利用者の状態・変化(気づき)
- ◯「先週より食欲が低下している様子。本人より『最近あまり食べたくない』との発言。サービス提供責任者へ報告し、ケアマネへの共有を依頼。」
連絡・申し送り
- ◯「玄関の電球が切れているとご家族へ連絡。次回訪問のヘルパーへ、移動時のふらつきに留意するよう申し送り。」
ポイントは、「計画にある何を」「どう実施し」「利用者はどうだったか」 を、その訪問ごとに具体的に残すことです。
訪問介護ならではの「効率化」のコツ
訪問介護は、移動が多く、記録を後回しにすると帰ってからの作業が重くなります。
- その場(訪問先)で残す:提供直後にスマホ等で短く残すと、戻ってからのまとめ書きが減り、記憶が新しいうちに正確に書けます。
- 計画に沿った定型文を用意:利用者ごとの計画にもとづく「型」を決めておくと、毎回ゼロから書かずに済みます。
- 紙とデジタルの二度手間を減らす:手書きの提供記録を後で転記している場合、デジタル化で一度で済みます(介護記録の電子化・ペーパーレスの始め方)。
- 音声入力・AIの下書きを活用:訪問先で話した内容から下書きを作り、確認・修正で仕上げる。
私たちの「介護DXアシスト」も、スマホ・タブレットに話しかけるだけで、提供したサービスや利用者の様子を整理した記録の下書きを作成できるツールです(専用機器不要・無料プランあり・現在β版・個人運営)。訪問先でその場で下書きを残し、戻ってからの記録作業を軽くすることを目指しています。最終確認は人が行う前提です。データは国内サーバーで暗号化保管し、施設単位でアクセスを制御しています(セキュリティ・データ保護)。
記録は運営指導・加算でも問われる
訪問介護のサービス提供記録は、運営指導(旧・実地指導)や加算の算定でも確認されます。計画にもとづく提供が記録から分かるか、必要な記録が揃っているかが問われます。詳しくは「介護記録が問われる3つの場面(運営指導・加算・LIFE)」へ。
※加算の算定要件・必要書類・様式は制度改正で変わります。最新の正式な要件は、厚生労働省の告示・通知や指定権者(都道府県・市区町村)の窓口で必ずご確認ください。
まとめ
- 訪問介護の記録は、訪問介護計画にもとづく身体介護・生活援助の実施を、サービス提供記録として残す。
- 各訪問で 「計画の何を→どう実施→利用者はどうか」 を具体的に。引き継ぎ・共有の土台になる。
- 移動が多い訪問介護こそ、その場で残す・計画に沿った定型文・二度手間の削減・音声入力/AI下書き が効く。
業態別の記録は、デイサービス(通所介護)の記録・グループホーム/小規模多機能の記録・特養(特別養護老人ホーム)の記録・老健(介護老人保健施設)の記録 もあわせてどうぞ。記録ソフトの選び方は「失敗しない介護記録ソフトの選び方」へ。
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